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COLUMN3階建てアパートのメリット・デメリット

3階建てアパートのメリット・デメリット|向いている土地や建築費の相場も解説

アパートと言えば2階建てが主流ですが、建設会社に3階建てアパートを推奨される場合があります。3階建てが向いているかどうかには、本人の希望や土地、周辺環境の条件などが関係します。3階建てアパートの建築条件やメリット・デメリットなどを確認し、見極めることが大切です。本記事では、3階建てアパートのメリット・デメリットから向いている土地や建築費の相場まで詳しく紹介します。

3階建てのアパートを推奨される理由

近年、建築資材の高騰により、2階建てのアパートでは収支が合わず事業計画が成り立たないケースが多発しています。そのため、アパート建築を検討中の土地オーナーが3階建てを想定していない場合でも、3階建てを提案する会社が急増しているのです。

3階建てアパートの収益性の高さばかりアピールして、デメリットを十分に説明しないケースもみられます。そのような業者に誘発されてしっかり検討せずに3階建てアパートを建築してしまうと、結果的に大きな不利益を被ることになりかねません。

オーナーとしては、3階建てアパートのメリット・デメリットや建築条件などを確認し、自身に合っているかどうかを見極めることが大切です。

2階建てと3階建ての違い

2階建てアパートと3階建てアパートの違いは、「耐火基準」と「構造計算」の2点です。

耐火基準の高い建物とは、柱や壁、床といった主要構造部と開口部の耐火性に優れた建築物のことです。火災が自然に鎮火するまで放置しても、倒壊するほどの損傷や変形、延焼が起こりません。

3階建てアパートは2階建てアパートと比べて避難に時間がかかるため、一定時間は倒壊しないように耐火(ないしは準耐火)建築物であることが求められます。

さらに、3階建てアパートには構造の安定性を確認する「構造計算」が義務付けられています。一方、2階建て・延床面積500平方メートル以下のアパートには義務付けられていないため、省略されるケースがほとんどです。

2階建て・3階建てアパートの建築費の相場

3階建てアパートは耐火(準耐火)建築物+構造計算が義務付けられているため、2階建てアパートよりも建築費が高くなります。1坪あたりの建築費用の相場は次のとおりです。

構造2階建て(1坪あたり)3階建て(1坪あたり)
木造70万円~100万円程度80万円~100万円
鉄骨造80万円~110万円程度軽量鉄骨……坪90万円~110万円
重量鉄骨……90万円~110万円
鉄筋コンクリート造90万円~120万円程度100万円~130万円

2階建てアパート(60坪・鉄筋コンクリート造)

延床面積=60坪×1.0倍
=60坪

建築費=60坪×90万~120万円
=5.400万~7,200万円

3階建てアパート(60坪・鉄筋コンクリート造)

延床面積=60坪×1.5倍
=90坪

建築費=90坪×100万~130万円
=9,000万~1億1,700万円

このように、2階建てアパートよりも3階建てアパートの方が約3,500万~6,000万円も高くなります。

そのほか、外構工事や地盤改良工事、整地工事、仮設工事、給排水・ガス引き込み工事などにも費用がかかります。これらの費用は見積もりに含めることが多いものの、業者によって対応が異なるため必ず確認しましょう。

3階建てアパートの建築条件

3階建てアパートを建築できる条件を満たしていない場合は、必然的に2階建て以下のアパートを選ぶことになります。3階建てアパートの建築条件について詳しくみていきましょう。

容積率が少なくとも150%以上

容積率とは、延べ床面積の敷地面積に対する割合のことで、延べ床面積を敷地面積で割って算出します。3階建てアパートを建築する場合の容積率は150%以上が望ましいといわれています。容積率の計算には複雑な部分があるため、土地の専門家に相談することをおすすめします。

高さ制限をクリアできる

建物の高さは、第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域において、10メートルか12メートルに制限されています。どちらに該当するかは地域で異なります。

3階建てアパートの高さは大体10メートル程度のため、建築できるかどうかはケースバイケースです。また、日陰による影響を規制する法律も関係するため、高さ10メートルまたは12メートル以内であっても、3階建てアパートを建築できないケースがあります。

これらの条件を満たしているかどうかを自分で調べることは困難なため、専門家に調査を依頼しましょう。

木三共の設計基準を満たすことができる

木造の3階建てアパートは「木三共」と呼ばれ、次の4つの基準を満たすことで「準耐火建築物」として認められます。

・1時間準耐火構造
・避難に有効なバルコニーの設置
・敷地内で建物の外側に幅3m以上の通路を確保
・3階住戸の外壁の開口部への防火設備の設置

ただ、上記すべてを満たすことは難しく、木造3階建てアパートの建築は容易ではありませんでした。

それが2019年の法改正により、3階建てで延べ床面積が200平方メートル未満の場合、緩和条件を満たすことで従来の基準をクリアしていなくても建築できるようになったのです。ただし、1時間準耐火構造の条件は、例外なく満たす必要があります。

若い世代が多い地域

3階建てアパートにエレベーターの設置は義務ではありませんが、足腰が悪い方や比較的高齢の方が多い地域では、エレベーターがあった方が入居者が増えると予想できます。

ただ、エレベーターの設置や維持管理には費用がかかるため、なるべく設置したくないと考える方も多いのではないでしょうか。

学生や外国人技能実習生など、比較的若い世代が多い地域であれば、エレベーターの有無は入居率にほとんど影響しないでしょう。

3階建てアパートのメリット

3階建てアパートと2階建てアパートを比較した場合、3階建てにはどのようなメリットがあるのでしょうか。3階建てアパートのメリットについて詳しくみていきましょう。

2階建てアパートよりも収益性が高い

2階建てアパートよりも多くの部屋を作ることができるため、より高収益が期待できます。ただし、維持管理費も高くなるため、純粋な利益が必ずしも多く得られるとは限りません。また、エレベーターを設置する場合は維持管理にコストがかかります。

狭小地でも比較的高い収益が期待できる

狭小地は一般的に15~20坪以下の土地を指します。2階建てアパートを建てる場合、部屋数が少なくなるため、収益性は低くなります。3階建てアパートは部屋数が多いため、狭小地でも一定の収益が見込めるでしょう。

2階以上の部屋数を増やして収益性を高めることも可能

2階までのアパートでは、ある程度の部屋数を確保するために、各階層に目いっぱいまで部屋を作ることが一般的です。一方、3階建てアパートは各階層の部屋数にあえて余裕を持たせることもできます。例えば、賃料を安く設定しなければ空室率が上がる可能性がある1階の部屋を少なくして、収益性を高めることも可能です。

3階建てアパートのデメリット

続いて、3階建てアパートのデメリットについて詳しくみていきましょう。

建築費や維持費が高い

3階建てアパートは耐火(準耐火)建築物であることが建築条件のため、2階建てアパートと比べて建築コストが高くなります。オーナーの収入や年齢によっては、金融機関から希望額を借り入れられない可能性もあるでしょう。また、延床面積が広くなればなるほどに維持管理のコストも増加します。

その他、入居者とのやり取りも増えることで、オーナーに負担がかかる可能性もあります。

完成に時間がかかる

3階建てアパートは2階建てアパートよりも工事期間が長くなるため、投資開始から収益化までの期間も長くなります。ローン返済が始まった時点で収益化ができていないと、貯金を切り崩して返済することになりかねません。収益がない期間も想定して、資金を準備しましょう。

エレベーターなしの場合はニーズが低下する

3階の部屋は、足腰の悪い方や高齢の方に不向きです。エレベーターがあれば一定のニーズが期待できますが、コストを増やしてまで導入すべきか十分に検討した方がよいでしょう。また、若年層であっても、日常的に買い物袋を持って3階まで階段で上るのを苦痛に感じ、3階の部屋を避ける人もいます。

3階建てアパートを検討する際の注意点

3階建てアパートの建築を検討する際は、次の注意点を押さえましょう。

3階建てアパートの建築条件を満たしているか確認する

3階建てアパートの建築条件である容積率や敷地の広さなどの条件を満たしているか確認しましょう。容積率や高さ制限などについて自分で正しい情報を得ることは難しいため、信頼できる専門家に相談することが大切です。

経年劣化による空室率の増加を計算に入れる

3階建てアパートは2階建てアパートよりも部屋数が多いため、それだけ高い収益が見込めます。ただし、経年劣化によってアパートのニーズが低下すると2階建てアパートよりも空室が増え、キャッシュフローがより大きく低下する可能性があります。

また、修繕費も2階建てアパートよりも高くなるため、ますます収支が悪化するでしょう。築年数が浅い時期だけではなく、経年劣化によってニーズが低下した後の収支も想定することが大切です。

根拠なく3階建てを推奨していないか見極める

前述したように、資材の高騰の関係によって2階建てアパートでは収支が合わなかったり、建築業者の利益が少なくなるケースがあります。そのため、表面上の収支を良く見せるために、また、業者が多くの利益を得るために3階建てアパートを無理に推奨する業者が急増しているのです。

3階建てアパートを推奨された場合は、その根拠を確認しましょう。根拠なく提案してきたのであれば、自分たちの利益を最優先に考えている可能性があります。

デメリットを上回るメリットがあるか確認する

3階建てアパートにはメリットとデメリットがあります。デメリットを上回るメリットがある場合にのみ、3階建てアパートを前向きに考えるべきでしょう。3階建てアパートのメリット・デメリットについて、改めて整理します。

メリット

  • 2階建てアパートよりも収益性が高い
  • 狭小地でも高収益が期待できる
  • 2階以上の部屋数を増やして収益性を高めることも可能

デメリット

  • 建築費や維持費が高い
  • 完成に時間がかかる
  • エレベーターなしの場合はニーズが低下する

エレベーターなしの場合は高齢者や足腰の悪い方などからのニーズが低下しますが、学生や外国人技能実習生が多い町であればエレベーターは不要です。また、完成に時間がかかる場合でも、十分な余裕資金があれば大きな問題にはなりません。

一方、メリットである2階建てアパートよりも収益性が高い点については、経年劣化による収益性の低下も考慮する必要があります。また、狭小地ではない場合、3階建てアパートのメリットが1つ減ることになります。このように、自身の状況や将来の展望を踏まえてメリット・デメリットを分析し、3階建てアパートが自分に合っているかどうかを見極めましょう。

3階建てアパートの実績がある業者に相談する

3階建てアパートの建築には、さまざまな条件を満たす必要があります。2階建てアパートと比べて一般的ではないため、実績を持たない業者が少なくありません。設計・施工実績が豊富で3階建てアパートの建築ノウハウを持つ業者に相談しましょう。

ただし、前述したように自社の利益のためだけに3階建てアパートを提案する業者も存在するため、実績だけではなく信頼性の確認も必要です。土地の面積やオーナーの希望、周辺環境などを踏まえて、複数の選択肢の中から最適な方法を一緒に考えてくれる業者に相談することをおすすめします。

まとめ3階建てアパートのメリット・デメリット|向いている土地や建築費の相場も解説

3階建てアパートは2階建てアパートと比べて高い収益性が期待できる一方で、建築費や維持費が高い、完成に時間がかかるといったデメリットもあります。自身にとって3階建てアパートが本当に適しているのかどうかを考えつつ、信頼できる専門家からアドバイスを得ることが大切です。

広島県で土地活用を検討されている方は日興ホームまでお気軽にご相談ください。土地活用の専門家が在籍しておりますので、お客さまの立場に立ち、最適と考えられる活用方法をご提案いたします

コラムニスト川口 晃司

前職は新潟県の独立リーグのチームでマネージャーをしていました。
私生活では子供と遊ぶこと、野球とサッカーを観ることが日々の楽しみです!

地域の皆さまに信頼していただけるように毎日の業務に取り組んでいます。

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