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省エネ住宅「ZEH」とは?定義・メリット・デメリット・補助金について解説

省エネ住宅「ZEH」とは?定義・メリット・デメリット・補助金について解説

エネルギー効率の向上と地球環境への配慮がますます求められる現代社会において、省エネ住宅「ZEH」が注目されています。ZEHは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、家庭で使用するエネルギーの収支を実質ゼロ以下にするという目標を持つ住宅のことです。
今回は、ZEHの特徴やメリット・デメリット、補助金などについて詳しく解説します。

目次
ZEHとは
ZEHはこれからの住宅のトレンド
ZEH住宅を構成する3つの要素
ZEHの定義
ZEHを目指すメリット
ZEHのデメリット
ZEH住宅の補助金制度
まとめ

ZEHとは

ZEHは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、家庭のエネルギー収支をゼロ以下にすることを目指す住宅のことです。具体的には、家庭で使用するエネルギーによるマイナスと、太陽光発電などで生み出すエネルギーによるプラスによってバランスを取ることで、年間の実質的なエネルギー消費量をゼロ以下にすることを目指します。

ZEHの目標を達成するには、エネルギー生産量を増やすとともに、エネルギーの使用量を大幅に削減する必要があります。また、エネルギーの使用量を減らすと快適性が損なわれる可能性がありますが、ZEHにおいては快適性を維持することが前提条件です。

ZEHはこれからの住宅のトレンド

ZEHはエネルギー収支をゼロ以下にすることを目指し、省エネルギーと自己発電を組み合わせています。これにより、化石燃料の使用量を減らし、二酸化炭素排出量の削減を実現します。地球温暖化問題や環境保護への関心が高まる中で、ZEHは環境への負荷軽減に貢献する住宅として注目されています。

また、2023年6月以降の電力値上げを踏まえると、今後ますます注目度が高まる取り組みと言えるでしょう。TBS NEWS DIGによると、全国の主要な電力会社は以下のように値上げを行います。

東京電力……平均15.9%
北海道電力……平均23.22%
東北電力……平均25.47%
北陸電力……平均39.7%
中国電力……平均26.11%
四国電力……平均28.74%
沖縄電力……平均33.3%

ZEHは、必ずしも年間のエネルギー消費量をゼロにできるとは限りませんが、一般的な住宅と比べると電気代を低く抑えることができるでしょう。

ZEH住宅を構成する3つの要素

ZEH住宅は、次の3つの要素で構成されています。

省エネ

ZEH住宅では、家庭内の電力使用量を把握するとともに無駄な電力消費を抑える必要があるため、管理システムの「HEMS(Home Energy Management System)」が必要です。そのほか、LED照明やエネルギー消費量が低い冷暖房機器、換気システムなども導入します。

断熱

ZEH住宅は、高性能な窓や断熱材を使用しています。これにより、快適な室内環境を実現しつつ冷暖房に必要なエネルギーを削減できます。断熱材は熱の伝導を防ぐためのバリアとなり、室外の温度の影響を抑える材料です。

また、ZEH住宅では建築時に断熱性能の計測と評価を行い、断熱性能を定量的に評価するために熱貫流率や熱抵抗値などの指標を確認します。

創エネ

ZEH住宅では、生活で消費するエネルギー以上のエネルギーを生み出すことが求められます。そのため、太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用する設備の導入が必要です。

ZEHの定義

経済産業省 資源エネルギー庁の『ZEH+の「外皮性能の更なる強化」の暫定措置の今後の取扱いについて』を参考に、ZEHの種類と定義について詳しく解説します。

ZEH

ZHEは、以下すべてに適合した住宅のことです。

・強化外皮基準(地域区分別に一定の数値条件を満たす)
・再生可能エネルギーを除き20%以上の一次エネルギー消費量削減
・再生可能エネルギーを導入(容量問わず)
・再生可能エネルギーを加えて一次エネルギー消費量を100%以上削減

ZEH+

ZEH+(ゼッチプラス)とは、ZEHの基準を満たしたうえで、さらに高性能な住宅設備を備えた住宅のことです。一次エネルギー消費量削減はZEHが20%ですが、ZEH+では25%以上となります。

さらに、下記のうち2つ以上の条件を満たす必要があります。

・外皮性能の強化
・高度エネルギーマネジメント
・電気自動車を活用した自家消費の拡大(EV連携)

Nearly ZEH

Nearly ZEHは、住宅スペースの問題から太陽光発電設備の設置が難しいケースを考慮し、ZEHよりも低い基準となっているモデルです。

・強化外皮基準(地域区分別に一定の数値条件を満たす)
・再生可能エネルギーを除き20%以上の一次エネルギー消費量削減
・再生可能エネルギーを導入(容量問わず)
・再生可能エネルギーを加えて一次エネルギー消費量を75%以上 100%未満

また、この上位版としてNearly ZHE+もあります。再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量削減が25%以上であることに加え、以下の3つのうち2つ以上を採用していることが条件です。

・外皮性能の更なる強化
・高度エネルギーマネジメント
・電気自動車を活用した自家消費の拡大措置

次世代ZEH+

次世代ZEH+(ゼッチプラス)は、ZEHよりも多くの再生可能エネルギーを自家消費するために充放電設備などの設備を導入し、省エネ性能をさらに向上させたモデルです。

次世代ZEH+の対象となるのは、「ZEH+」や「Nearly ZEH+」で、これらの基準を満たしている必要があります。さらに、以下の追加選択要件(システムや設備など)のうち少なくとも1つ以上を導入する必要があります。

・蓄電システム
・燃料電池
・V2H充電設備(充放電設備)
・太陽熱利用温水システム

ZHE Oriented

ZHE Orientedは、ZEHを目指したモデルで、都市部の狭小地に建築される住宅に適用されます。

・強化外皮基準(地域区分別に一定の数値条件を満たす)
・再生可能エネルギーを除き20%以上の一次エネルギー消費量削減

ZEHを目指すメリット

ZEHは義務付けられたものではないため、あえて目指す必要はありません。しかし、ZEHは日々の生活にさまざまなメリットをもたらします。

ZEHのメリットについて詳しく見ていきましょう。

光熱費削減

ZEHの大きなメリットは、徹底的な省エネルギー対策と太陽光発電によって、光熱費を劇的に削減できることです。断熱性能の向上や高効率なエネルギー設備の採用により、家の内外からの熱や冷気の侵入を最小限に抑えます。さらに、太陽光パネルを屋根に設置して太陽光エネルギーを活用することで電力を生み出します。

非常時にも電気を供給できる

蓄電システムを備えている場合、停電時でも電気を供給できます。蓄電システムは太陽光発電や他の再生可能エネルギーシステムから得た電力を蓄えるための装置です。通常時には余剰な電力を蓄電池に充電し、必要な時に蓄えた電力を使用することができます。

災害が発生し停電が起きた場合、ZEHの蓄電システムは非常時においても電力を供給します。これにより、照明や通信機器、冷蔵庫など必要な機器を動かせるため、生活の安全性や快適性を維持できます。

ヒートショックのリスクの低減

温度差のある部屋の間を移動する際に起こりやすい「ヒートショック」のリスクが低減されるという健康面のメリットもあります。

ヒートショックは、急激な温度変化によって体がショックを受ける状態です。例えば、寒い外気温の中から急に暖かい部屋に入ったり、お風呂から急に冷たい空間に移動したりすることで発生します。

ZEHの高断熱化によって室内の温度変化が少なくなるため、部屋の間を移動する際の温度差が軽減され、ヒートショックのリスクが減少します。

資産価値が上がる可能性がある

住宅の省エネルギー化に取り組むことは、資産価値の向上につながる可能性があります。一般社団法人「住宅性能評価・表示協会」が提供する「BELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System:建築物省エネルギー性能表示制度)」という認証制度では、住宅のエネルギー効率や省エネルギー性能を評価し、グレードを付与します。

BELSで高評価を得ることでZEH住宅の資産価値が向上し、将来的に高値で売却できる可能性があります。

ZEHのデメリット

ZEHにはデメリットもあります。次の2つのデメリットを理解したうえで検討しましょう。

発電量が天候の影響を受ける

太陽光発電は、晴れた日や日照時間の長い季節に電力を効率的に生み出します。一方、曇りや雨の日、冬場の日照時間の短い時期では発電量が減少し、電力供給が不安定になる可能性があります。

初期費用とランニングコストがかかる

高性能な断熱材やエネルギー効率の高い設備を導入する際は、多額の費用がかかります。また、高性能な設備やシステムの保守・メンテナンスにかかるコストにも留意が必要です。

ただし、ZEH住宅の省エネルギー性能によって光熱費が削減されるため、長期的な視点で見ると、コスト面で不利になるとは言い切れません。また、省エネルギー技術の進歩や競争の促進によって、今後はコストが抑えられていくことが期待されています。

ZEH住宅の補助金制度

ZEH住宅の普及を促進するため、日本ではさまざまな補助金制度が存在します。以下に代表的な補助金制度をいくつかご紹介します。

  ZEH支援事業 次世代ZEH+
(注文・建売・TPO)実証事業
次世代HEMS実証事業
申請対象者 新築住宅を建築・購入する個人
新築住宅の販売者となる法人
新築住宅を建築・購入する個人 新築住宅を建築する個人
対象となる住宅 ZEH・ZEH+ 次世代ZEH+ 次世代ZEH+
補助額 ZEH:55万円/戸
ZEH+:100万円/戸
100万円/戸 112万円/戸

補助金の支給要件については、住宅を建てる際に業者に確認するとスムーズです。

まとめ

省エネ住宅「ZEH」とは、年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づける住宅のことです。光熱費の削減や非常時にも電力供給が可能な点など、さまざまなメリットがあります。一方、発電量が天候に左右されるデメリットも存在します。

また、一般的な住宅と比べて多くの費用がかかるため、ZEH住宅の導入を支援する補助金制度を積極的に活用しましょう。

日興ホームは家族構成やライフスタイルに適した平屋住宅を提供しております。ZEHを検討されている方、まずは詳しい話を聞きたい方など、どのような方もお気軽にご相談ください。

コラムニスト:ちゅーピー住宅展示場モデルハウス 羽原 忠宏

  • 羽原 忠宏
  • 笑顔と元気が取り柄です(^^)/
    子育て世代の家づくりを得意としております。お客様に寄り添った営業、ご提案を心掛けています。一緒に楽しい家づくりをしましょう♪

    ・趣味:体を動かすこと

  • ちゅーピー住宅展示場モデルハウス
  • わが家という夢が望みどおり叶い、わが家と始まる未来が幸せに綴られる。そんな想いから生まれた自由設計の住まい。テクノストラクチャー工法で、耐震性・耐久性とデザインの自由度を両立しました。先進技術で夢の住まいを紡ぎ、長い人生の物語を幸せに紡ぐ。家族の想い出を重ねながら未来へと価値を受け継いでいく住まいをぜひ展示場でご体感ください。

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