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自分でできる断熱方法とは?窓・床・壁など箇所別に紹介

自分でできる断熱方法とは?窓・床・壁など箇所別に紹介

「家を建てた後に自分で断熱してコストを抑えたい」「家を建てたけれど断熱性が低くて悩んでいる」

このような悩みを抱えている方は、自分でできる断熱方法について確認するとよいでしょう。ただし、プロの業者に依頼した場合と比べて完成度が低くなりがちなうえに、効果には限界があります。

今回は、自分でできる断熱方法について、窓や床、壁など箇所別に詳しく紹介します。

目次
寒暖差が激しい家の問題点
断熱リフォームを自分で行うメリット
自分で断熱リフォームするデメリット
【窓】自分でできる断熱方法
【床】自分でできる断熱方法
【壁】自分でできる断熱方法
業者ができる断熱リフォーム
まとめ

寒暖差が激しい家の問題点

寒暖差が激しい家の問題点は、急な温度変化によって引き起こされるヒートショックです。ヒートショックは、急激な温度変化によって血圧が急激に変動し、心臓への負担が増加して心臓病や脳卒中などのリスクが高まる状態です。

暖房が効いた暖かい部屋から、暖房がついていない寒い場所に移動すると、血管が急激に収縮し、血圧が上昇します。また、温かい部屋から急に寒い場所に出ることで、体温が急激に下がります。これによって、血管が収縮・拡張する過程でヒートショックが引き起こされるのです。

特に浴室はヒートショックが発生しやすい場所の1つです。暖かい浴室内に入る前に、寒い脱衣所を通ることで急激な温度変化が生じ、血圧の変動が起こります。また、温かいお風呂に入る際にも体温が急激に上昇するため、これらの温度変化が積み重なってヒートショックのリスクが高まります。

家の中で急な温度差を避けるために、断熱性能を向上させることが大切です。床や外壁、窓などの断熱材を適切に強化し、室内の温度変化を抑えることができます。

断熱リフォームを自分で行うメリット

断熱リフォームを自分で行うことを検討する際は、そのメリットについて理解しておくことが大切です。自身にとってメリットが小さいと感じる場合は、業者に任せた方がよいでしょう。断熱リフォームを自分で行うメリットは次のとおりです。

費用の削減

断熱リフォームは専門業者に依頼すると費用がかかりますが、自分で行うことで費用を大幅に削減できます。また、材料の選定や調達方法によってもコストを抑えることが可能です。これは断熱リフォームを自分で行う最大のメリットですが、後述するデメリットも踏まえて行うかどうかを決める必要があります。

自分のペースで作業可能

専門業者に依頼する場合、工事のスケジュールや作業時間に合わせる必要がありますが、自分で行う場合は都合が良いタイミングで少しずつ進めることができます。工事の時間帯に在宅しておく必要もなく、休日の体力に余裕があるタイミングで実施できます。

自分で断熱リフォームするデメリット

自分で断熱リフォームをした結果、十分な効果を得られなかったり返ってコストがかかる事態になったりする場合があります。自分で断熱リフォームをするデメリットについて詳しく見ていきましょう。

施工技術の不足

断熱リフォームは専門的な知識と技術が必要な作業です。間違った施工方法や材料の選定によって、逆に断熱性能が悪化する場合もあります。自分で行う場合、施工技術が不足しているために、効果的な断熱ができないこともあるでしょう。また、作業箇所の周りを汚してしまい、余計な修繕費が発生する可能性もあります。

安全性の確保

断熱リフォームでは、さまざまな工具や材料を使用します。誤った取り扱いや不適切な方法によって、怪我をしたり事故が発生したりする可能性があります。専門業者は安全対策を講じて作業を行いますが、自分でする場合は安全性の確保が難しいでしょう。

材料選定の難しさ

断熱リフォームには適切な断熱材や工具の選定が重要です。適切な材料を選ばないと効果的な断熱が難しいだけでなく、コストの無駄遣いにもつながる可能性があります。専門業者は経験に基づいた適切な材料選定ができますが、自分で行う場合は事前に情報収集が必要です。

時間と手間の負担

断熱リフォームは時間と手間がかかる作業です。特に大規模なリフォームの場合、多くの時間を要することがあります。また、専門業者と比べて作業が遅くなる可能性があり、生活に支障をきたすことも考えられます。

効果の不確実性

自分で断熱リフォームを行ったものの、断熱性が十分に向上しない場合があります。専門業者によるリフォームでは確実に効果を得ることができますが、自分で行った場合は施工方法や材料の選定によっては十分な効果が現れません。

【窓】自分でできる断熱方法

窓は冷暖房の影響を受けやすい場所であり、窓の断熱性を高めることで快適な室内環境を実現できます。自分で簡単にできる断熱リフォームの方法について詳しく見ていきましょう。

窓に断熱性を高めるものを張り付ける

プチプチ(気泡入りのクッション材)、新聞紙、遮熱フィルムなど、断熱性を高めるものを窓に張り付けることで断熱性能の向上が期待できます。

プチプチは窓と部屋の間に空気の層を作り、断熱効果を発揮します。新聞紙は細かい繊維でできており、貼り付けるだけで断熱効果を得られます。

遮熱フィルムは太陽光を跳ね返すため、日差しの差し込みによる室温上昇を抑えることが可能です。

カーテンを取り付ける

カーテンを取り付けるだけでも、空気の流れが阻害されて断熱性能の向上が期待できます。厚手のカーテンや2重カーテンに変えることで断熱効果を得られます。

2重カーテンは既存のカーテンの上に取り付けるタイプのものが手軽でおすすめです。丈が少し余る程度の長さのものを選びましょう。

窓の断熱リフォームは、DIYで手軽に行える方法ですが、選ぶ素材や方法によって効果に差が出るため、適切な素材のものを選び、正しく取り付けることが大切です。

【床】自分でできる断熱方法

床の断熱性能が低いと、冬場に足元に冷たい空気が対流して寒さを感じます。床の直上には冷たい空気が溜まりやすいため、上半身は温かいのに足下から冷えてしまいます。

エアコンの設定温度を上げても、床や足元のあたりの温度は上がりません。

冷気が床から感じられる状況を解消するために、次のような断熱リフォームを行いましょう。

ラグやカーペットを敷く

ラグやカーペットを敷くことで、床下から上がってくる冷気を遮断できます。夏においても外から入ってくる熱気を遮断し、室温を保ちやすくなります。厚手のものほど高い断熱性が期待できますが、部屋のインテリアや季節感などを踏まえて自身に合ったものを選びましょう。

コルクマットやウレタンマットを敷く

フローリングとカーペットの間にコルクマットやウレタンマットなどを敷くことで、さらに床の断熱性を高めることができます。いずれも簡単に設置できるため、特に技術は必要ありません。

【壁】自分でできる断熱方法

壁の内側の断熱性能を向上させることも有効です。自分でできる壁の断熱方法について詳しく見ていきましょう。

壁紙を張り付ける

断熱性の高い素材の壁紙を壁に貼り付けることで、壁の断熱性を高めることができます。特に古い建物では壁の内側から風が入り込み、断熱性が下がる原因となることがあります。

フェルト製のパネルやクッションタイプの壁紙なども断熱性能が高く、壁に貼り付けることで断熱効果の向上が期待できます。これらの素材はピンやシールで貼り付けることができるため、特に技術は必要ありません。また、ハサミやカッターで角をきれいに処理することも可能です。

巾木を取り付ける

壁とフローリングの取り合いにはわずかな隙間があります。この隙間から暖かい空気が逃げ出し、冷たい空気が入ってくることがあります。巾木と呼ばれるトリムを壁と床の隙間に取り付けることで、隙間からの風の侵入を防ぐことができます。巾木はホームセンターで手に入るため、手軽な方法と言えるでしょう。

ソフトタイプの巾木は塩化ビニールでできており、木巾木よりも比較的簡単に加工できます。

業者ができる断熱リフォーム

今回は、自分でも簡単にできる断熱リフォームの方法を紹介しましたが、効果は業者による断熱リフォームに劣ります。より高い断熱性を求めるのであれば、業者に断熱リフォームを依頼しましょう。業者に依頼できる断熱リフォームも主な種類は次のとおりです。

内窓設置

内窓設置は、既設の窓の内側に新たな窓を取り付けることです。これにより、窓と内窓の間に空気の層ができ、断熱性能が向上します。

複層ガラス・樹脂サッシへの交換

既存の窓ガラスを撤去し、複層ガラスや樹脂サッシに交換することで、断熱性を向上させます。複層ガラスはガラス間に空気層を持つことで高い断熱性を実現し、樹脂サッシは熱伝導率の低い材料を使用しています。これにより、窓から熱が逃げるのを防ぎます。

玄関ドアの交換

玄関ドアの断熱性を高めるために交換するのも方法の1つです。古くなった玄関ドアの隙間や劣化による断熱性の低下を解消するために、断熱性能が高い新しい玄関ドアに交換しましょう。

壁内・床下・天井の断熱材の交換・追加

建物全体の断熱性能を向上させるために、壁内や床下、天井の断熱材を交換や追加する方法があります。特に古い住宅では断熱材の劣化や不足が起きていることが多く、断熱材の追加や交換によって断熱性が大きく向上することも少なくありません。

無垢フローリングの重ね張り

床が寒い場合、無垢フローリングの重ね張りを行うことで断熱性能の向上が期待できます。無垢フローリングは柔らかい木材を使用しており、優れた断熱性能を持ちます。

既存の床に無垢フローリングを重ね張りする方法は、張り替えよりもコストがかかりません。

まとめ

自分でできる断熱リフォームの方法はどれも手軽なものの、業者に依頼した方が断熱性能は大きく向上します。また、これから家の購入を考えている方は、最初から断熱性能に優れた家を建てることが大切です。断熱性能は家の快適性や電気代などに大きく関わるため、重要なポイントであることを認識しておきましょう。

コラムニスト:ちゅーピー住宅展示場モデルハウス 羽原 忠宏

  • 羽原 忠宏
  • 笑顔と元気が取り柄です(^^)/
    子育て世代の家づくりを得意としております。お客様に寄り添った営業、ご提案を心掛けています。一緒に楽しい家づくりをしましょう♪

    ・趣味:体を動かすこと

  • ちゅーピー住宅展示場モデルハウス
  • わが家という夢が望みどおり叶い、わが家と始まる未来が幸せに綴られる。そんな想いから生まれた自由設計の住まい。テクノストラクチャー工法で、耐震性・耐久性とデザインの自由度を両立しました。先進技術で夢の住まいを紡ぎ、長い人生の物語を幸せに紡ぐ。家族の想い出を重ねながら未来へと価値を受け継いでいく住まいをぜひ展示場でご体感ください。

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