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注文住宅はいくらでどんな家が建つ?予算別の例や費用を抑える方法

注文住宅はいくらでどんな家が建つ?予算別の例や費用を抑える方法

注文住宅は高額なイメージがあるかもしれませんが、1,000万円台で建てることも可能です。ただし、建築資材や設備などは使用できるものが限られます。予算を決める際は、どのような注文住宅を建てたいのかを考えて、逆算することが大切です。

今回は、注文住宅の予算別にどのような家が建つのかを紹介しつつ、費用を抑える方法について詳しく解説します。

目次
注文住宅の建築にかかる費用
注文住宅の費用の内訳
予算別の注文住宅の仕上がりイメージ
注文住宅の費用を用意する流れ
注文住宅の費用を抑える方法
まとめ

注文住宅の建築にかかる費用

国土交通省の「令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると、住宅建築費用と土地の購入費用の合計は、全国平均で5,112万円、東京・名古屋・関西圏の三大都市圏平均は6,315万円です。内訳は、土地の購入費用が全国平均で約34%、三大都市圏内は約40%です。

つまり、3~4割は土地の購入資金であるため、建築費用は3,000~4,000万円程度が平均と言えるでしょう。

注文住宅の費用の内訳

注文住宅の予算を決める際は、費用の内訳について理解することが大切です。それぞれにかけるべき予算を算出することで、総費用を正確に算出できます。

注文住宅の費用の内訳について詳しく見ていきましょう。

土地の購入費用

土地の購入費用は、注文住宅を建てる際の大きな割合を占めます。土地の立地や広さ、地盤状況などによって価格が変動します。都市部や交通の便が良い地域では土地の価格が高くなる傾向があります。土地が安いからといって郊外に家を建てると、通勤に時間と労力がかかるため注意が必要です。

建築費用

建築費用は、建物の建設に関する費用です。基礎工事、外装工事、内装仕上げ、住宅機器設備工事など、住宅の完成に必要なすべての工事の費用が含まれます。建築設計事務所や建築業者によって費用が異なります。建築費用が高いからといって必ずしも高品質な注文住宅を建てられるとは限りません。

諸手続き費用

一戸建てを取得するために必要な諸手続きに関連する費用です。不動産登記手続きに伴う司法書士報酬費用などが含まれます。これらの手続きによって土地や建物の所有者を正式に記録し、所有権を明確にします。

予算別の注文住宅の仕上がりイメージ

注文住宅は、予算に応じて仕上がりのイメージが大きく異なります。2,000万円から4,000万円まで、1,000万円刻みで注文住宅の仕上がりイメージを紹介します。

予算2,000万円

2,000万円で注文住宅を建てる場合、建物の形状は長方形や正方形などシンプルな形状になることが一般的です。特殊な形状を避け、外壁の面積を最小限に抑えて材料費を節約します。

また、屋根については片流れの屋根が選ばれることが多いでしょう。片流れ屋根は低コストで設計され、建築費を抑える効果があります。設備機器については、基本的な機能のみを搭載した製品が選ばれることがほとんどです。多機能な機器や高級な設備は避け、最低限の必要なものだけを採用する必要があります。

建築費が限られているため、街の工務店や小規模な建築会社、ローコスト住宅を提供する会社に発注することが多いでしょう。

予算3,000万円

予算3,000万円の場合、床延べ面積が110~120㎡程度になることが多いでしょう。
これにより、居住スペースや収納スペースを広く確保できます。

また、タイルを使った外壁仕上げや、窓の数を増やすことも可能です。さらに、キッチンやバスルームに最新式の設備を導入できるでしょう。快適な生活をサポートするための設備にこだわることができます。

安価な量産品だけでなく、一部こだわりの素材を使用することも可能です。これにより、内装や外装をよりオリジナリティに優れたものにできます。発注先としては、街の工務店や中小の建築会社などです。

予算4,000万円

予算4,000万円では、一般的に床延べ面積が120~130㎡程度になることが多いでしょう。広いスペースを活用して、快適な生活空間を実現できます。

また、建物の形状は正方形や長方形のほか、敷地の形状を活かしたデザインやこだわりの形状の実現が可能です。設備や仕様については、より高いグレードのものを採用できます。

内装や設備にこだわることで、快適性やデザイン性を向上させることが可能です。例えば、無垢材のフローリングや床暖房などが挙げられます。そのほか、塀や柵、外構のデザインにもこだわることができるでしょう。

4,000万円の予算では、大手ハウスメーカーのクオリティの高い注文住宅を検討できます。

注文住宅の費用を用意する流れ

注文住宅の予算が確定した後は、自己資金の用意とローンの申し込みを進めます。注文住宅の費用を用意する流れについて詳しく見ていきましょう。

1.自己資金(頭金)を決める

自己資金(頭金)は、住宅ローンの借入額を抑えるために用意するものです。自己資金を用意せずにフルローンを組むことも可能ですが、返済期間が長くなったり毎月の返済額が予算を超えたりする恐れがあります。

まずは、現在の預貯金を確認し、住宅購入に使える資金を計算しましょう。一般的に、住宅資金全体の20%以上が自己資金として望ましいとされています。例えば、3,000万円の場合は600万円の自己資金を用意しましょう。

長期的な視点で、将来の出費(教育費、車の維持費、老後の費用など)も考慮に入れて資金計画を立てます。

2.住宅ローンで借りる金額を決める

続いて、住宅ローンの借入額を現実的な視点で検討します。家計の状況をもとに、無理のない月々の返済額を決めましょう。

金融機関は通常、年収の6~7倍程度の額を住宅ローンの借入限度額としています。それだけではなく、勤務先の規模や勤続年数、資産状況なども考慮されます。

3.住宅ローンの返済期間・種類・名義を選ぶ

返済期間は最長で35年程度まで選ぶことができますが、長期であればあるほどに月々の返済額は減少し、その一方で総返済額は増加します。

金利タイプには固定金利、全期間固定金利、変動金利などがあります。ライフプランや金利の変動リスクを考慮して選びましょう。

  固定金利 全期間固定金利 変動金利
特徴 一定期間の金利が変動しない
一定期間の経過後は再度固定か変動を再度選択する
ローン契約時の金利が完済まで変わらない 基準金利に応じて金利が変動する
定期的に見直しが入る
利点 一定期間返済額が変動しない
金利上昇の影響を受けない
返済額が全期間一定でライフプランが立てやすい
安心感がある
初期返済額が低い場合がある
市場金利低下時に返済額減少する
欠点 一定期間経過後に変動金利を選ぶと返済額も変動する 契約時の金利が高い場合、金利低下の恩恵を受けられない 金利変動による返済増加のリスクがある
ライフプランの見通しが難しい

注文住宅の費用を抑える方法

注文住宅の費用を抑えつつ理想に近い家を建てたい場合は、次のポイントを押さえましょう。

土地の予算を減らす

土地は注文住宅の総費用の多くを占めるため、土地の予算を減らすことで建物にかける予算を増やすことができます。地価は立地によって大きく変わります。少し駅から離れた場所や発展途上地域を検討することで、土地価格を下げることができるでしょう。

また、北向きや変形地の土地は一般的に割安です。設計を工夫することで、これらの土地でも快適な住まいを実現できます。

建物を小さくする

建物の延床面積を抑えると、建築費用を削減できます。例えば、廊下やデッドスペースを最小限に抑え、各部屋の配置を効率的に行うことで、スペースの有効活用が可能です。部屋から部屋への移動が短縮されるような設計が、快適な生活を維持しつつ面積を抑えるポイントです。

形状や設備などをシンプルなものにする

凹凸の少ないシンプルな形状や四角い家にすることで、施工コストを削減できます。また、設備や内装のグレードを下げ、低コストの仕上げ材を使用することも有効です。例えば、最新式のキッチンやバスルーム設備ではなく、基本的な機能を持つ設備を選ぶとよいでしょう。

税金控除や補助金制度を活用する

住宅購入や新築に関連する費用は、所得税や固定資産税などの税金控除の対象になることがあります。例えば、住宅ローンの利息控除や住宅取得に関する特別控除などが挙げられます。これらの控除を利用することで、税金負担を軽減し、実質的な費用削減を図ることができます。

また、地域ごとに異なる場合がありますが、自治体が新築やリフォームに対して補助金や助成金を提供していることがあります。特に省エネルギーや耐震性などに優れた住宅を建てる際に、補助金が支給されるケースが多いです。自治体のホームページや窓口で確認し、利用できる制度を探してみましょう。

まとめ

注文住宅の予算によって、建てることができる家が大きく異なります。長く住む家はなるべく妥協したくないところですが、予算オーバーの家を建てるとローン返済でトラブルになりかねないため、予算内で自身の理想に近い家づくりを目指すことが大切です。今回、解説した内容を参考に注文住宅の予算を決めましょう。

コラムニスト:アスタ住宅展示場モデルハウス 圓東 誠史

  • 圓東 誠史
    アスタ住宅展示場モデルハウス

    自遊に、くらす。がコンセプトのBinO(ビーノ)。アスタ住宅展示場では、ビーノシリーズの2つの家を同時に体感できます!「どちらの家にしようかな?」「どちらの家も見てみたい!」そんな時は、ぜひモデルハウスにおいでください。変わっていくライフスタイルに合わせた家選びをお手伝いします!

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