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狭小住宅[20坪の敷地・3階建て]──住み心地のいい家づくり 3つのポイント

狭小住宅[20坪の敷地・3階建て]──住み心地のいい家づくり 3つのポイント

20坪 = 約66.12㎡(1坪 = 3.305785㎡ × 20 = 66.1157 → 約66.12㎡)。敷地が小さくても、設計の工夫で「広く・明るく・快適」に暮らせます。ここでは実務で使える具体策をたっぷり解説します。

 

要点サマリ(先に結論)

①光と風を家の奥まで届ける設計(光庭・ハイサイドライト・階段を光井戸に)
②垂直動線で暮らしをスムーズにする間取り設計(階ごとの役割分担/収納と家事動線の最適化)
③構造・断熱・音対策で本当の「快適さ」を確保(耐震・断熱・防音・設備の効率化)

以下、各ポイントを詳しく、実例や設計上の注意点、チェックリスト付で解説します。

 

 

1. 光と風を家の奥まで届ける(採光・通風の設計)

課題:隣家が近接するために横方向の大開口が取りにくく、室内が暗く・閉塞的になりやすい。

解決の代表手法:
①2階LDK配置:1階をサービスゾーン(駐車・納戸・水廻り・客間)にし、光が取りやすい2階にLDKを置くことで日中の明るさと眺望を確保するプランが定番です。実例でもよく使われています。
SUUMO
②光庭(中庭/光井戸):家の内部に小さな吹き抜けや光庭を設けると、中央部まで直射光が届き、風の道もつくれるため「暗さ」と「換気不足」を同時に解消できます。狭小住宅で中庭をうまく使った事例が増えています。
③階段室を光の井戸にする:階段ホールに連続する高窓やトップライトを設け、階段自体を採光/通風の軸にする手法。視覚的にも立体感が出ます。
titel (タイテル)
④ハイサイドライト(高窓)・天窓(トップライト):隣家越しでも上部から光を取れるため効果的。断熱・雨仕舞いの配慮が必要。ルーフテラス/屋⑤上緑化:屋上を半屋外スペースにして外部とのつながりを持たせると、アウトドアを楽しめるだけでなく、昼光を確保できます。

 

具体的な設計Tips
①窓は「高さ」を変える(低い地窓+高いハイサイド)と光が深く入る。
ハローインテリア
②ガラス床(部分的)や格子床で上階の光を下階に落とすアイデアも有効(構造/防音検討必須)。
「優美」な暮らしを叶える注文住宅・設計事務所ならスムトコ –

 

 

2. 垂直動線と間取り配置(階ごとの役割分担で暮らしやすく)

原則:各階に“用途のまとまり”をつくる(public / semi-public / private を垂直に分ける)。これだけで狭さのストレスが激減します。

よくある配分
①1階:玄関・SIC(シューズクローク)・納戸・水廻り・在宅ワーク用の個室または駐車(間口による)。来客動線とプライベート動線を切るのに便利。
②2階:メインのLDK(天井高を確保して開放感を出す)、キッチンは対面でI型orペニンシュラ。バルコニーや採光を優先。
SUUMO
③3階:寝室・子ども部屋・書斎。屋上にルーフテラスがあると寝室からの動線もよい。

 

階段設計のポイント
①コンパクトで安全な形状(回り階段・直階段・スキップフロア)を選ぶ。狭小では「見せる階段(光井戸)」設計が有効。
titel (タイテル)
②階段下収納の活用、配管やダクトは上下でまとめる(給排水縦配管の最短化でコストダウン)
③家事動線(キッチン→洗濯→バルコニー)を階で揃えるか、家電の回遊導線で最小化する。

 

収納と可変性
各階に“置き場所”をつくる(掃除機・日用品・季節用品)。可動収納や壁面収納で間口の狭さを克服。

 

 

3. 構造・断熱・音対策で“本当に快適”にする

①耐震・構造:狭小で縦に伸びる建物は風や地震での挙動が重要です。構造設計(耐力壁配置・耐震等級・接合部の扱い)は早期に建築士と詰めましょう。
国土交通省
②断熱・気密:外壁の面積比が大きくなるため、断熱仕様をしっかり取らないと熱損失が多くなります。窓面は性能の高い樹脂窓+Low-Eガラスを推奨。
③音(上下階の伝わり):床の遮音(床スラブ厚・防振材)、水廻りの配置で生活音の干渉を減らす。床の仕上げ材も遮音に影響。

設備の効率化:
①給排水はなるべく縦ラインにまとめる(竪管を集約)でコストとメンテ性が向上。
②換気は第1種(給気+排気機械)か第3種(排気機械のみ)を現場条件で選定。狭小は機械換気を上手に使うと安定した室内環境が作れます。
③法規と都市計画の注意点:建蔽率・容積率、斜線制限や日影規制などは敷地により条件が異なります。計画前に必ず自治体の窓口で確認するか、設計者に調査を依頼しましょう(容積率・建蔽率の詳細は国交省/建築基準法関係資料参照)。
国土交通省

 

実例的な「仮プラン」(20坪=約66.12㎡の敷地を想定)
敷地想定:間口 約4.2m × 奥行 約15.7m(4.2×15.7=65.94㎡ ≒ 20坪)
※形状や法規により変わります。以下はあくまで“設計例”です。

想定建築面積(例):1階建築面積 ≒ 33〜38㎡(建蔽率やセットバックによる)
各階の配分(例)
1階(約33㎡):玄関・シューズクローク(2〜3㎡)・納戸(ガレージ1台~)
2階(約33㎡):LDK(12〜16帖相当)、キッチン、洗面・脱衣、階段ホールに光井戸
3階(約33㎡):主寝室(6〜8帖)、子ども室(4.5帖〜)、収納、屋上への階段

このように各階が約30–38㎡だと、延床は約90〜114㎡(約27〜34坪)となり、実際の容積率の枠内に収める設計が可能なケースが多い(地域の容積率次第)。実例・施工会社の事例にはこのような延床面積のレンジが見られます。
フリーダムアーキテクツ

 

費用感とスケジュール(目安)
①費用感:狭小3階建ては仕様や仕上げ、構造形式で幅がありますが、参考事例では2000万円台〜の実例も多数(プラン・仕様により増減)。見積りでの内訳(構造・断熱・設備・外構)を細かく確認しましょう。
SUUMO
②スケジュール目安:基本設計 1–2ヶ月 → 実施設計・確認申請 1–3ヶ月 → 着工〜竣工 4–8ヶ月(季節・工事範囲で変動)。

 

設計者/施工会社に渡す“チェックリスト”(打合せで使える)
①敷地図(法規制を調べた書類)を確認済みか✅
②採光シミュレーション(冬至・夏至)を実施しているか✅
③階段を光井戸として使う案の断面図があるか✅
④建築面積・延床面積と容積率の計算根拠を提示できるか✅
⑤耐震等級と構造計算の方針(簡易or保有耐力)を明記しているか✅
⑥断熱仕様(外壁、屋根、窓の性能値)を数量で示せるか✅
⑦床の遮音性能(上階→下階)R値や仕様が明示されているか✅
⑧設備(換気の種類・給排水ルート・竪管位置)のレイアウト図があるか✅
⑨近隣対応(工事時間、足場・養生、境界での配慮)について説明があるか✅
⑩見積りは項目別に記載(仮設・躯体・仕上げ・設備・外構・諸経費)✅

 

よくあるQ&A(設計時の実務的疑問)
Q:間口が2.7mでも3階建ては可能?
A:可能なケースが多いですが、斜線制限や道路幅、境界条件で計画が左右されます。専門家に事前確認を。
PICK-HP
Q:駐車スペースは取れる?
A:間口や道路の幅により難易度が変わります。ビルトインガレージが必要なら幅や前面道路との関係で可否が決まります。事前調査が必須です。
家サイト|住宅展示場ガイド|ライダース・パブリシティ

 

まとめ(設計で失敗しないために)
①最初に法規と周辺環境を押さえること(容積率・斜線・日影)→ 設計の自由度が分かります。
国土交通省
②「光」と「動線」と「構造」を同時に考えること:どれか一つに特化すると他が犠牲になりやすい。光庭+2階LDK+しっかりした構造設計の組合せは狭小での勝ち筋です。

 

参考・事例(もっと詳しく読みたいとき)

①狭小住宅に中庭を取り入れる設計(中庭の効果と事例)。
株式会社プリンシパルホーム 注文住宅サイト
②SUUMO:狭小3階建ての施工事例(間取り・コスト例)。
SUUMO
③sumutoco:モダンな3階建て外観・間取りアイデア。
「優美」な暮らしを叶える注文住宅・設計事務所ならスムトコ –
④狭小住宅での「階段見せる」設計事例まとめ。
titel (タイテル)
⑤国土交通省(建築基準法:容積率/建ぺい率等の解説資料)。
国土交通省

 

画像はページ上部のサムネイル(3階建ての狭小事例)を集めました。気に入った外観・テイストがあれば、どれをベースにしたいか教えてください。平面図(1案:各階の寸法入り)を作ってほしい場合は、敷地の正確な寸法(間口×奥行)と希望の家族構成を教えていただければ、実寸ベースでプラン案を作成します。

詳細プランが欲しい場合はそのまま指示ください — 広島市西区商工センターにある「KItoNOKO」では、敷地寸法がわかれば、具体的な間取り案(平面図+簡単な概算見積り)をお作りいたします!

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