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廿日市市「マルニ木工」さんの紹介─KItoNOKO周辺お店紹介─

MARUNI COLLECTIONを紐解く
KItoNOKOでも一部採用した「maruni木工」さんの紹介─

 

 

はじめに

“100年経っても世界の定番として愛される、精緻で優れたデザインの木工家具をつくり続ける”というブランドビジョンを掲げる マルニ木工。その中核となるシリーズが、MARUNI COLLECTION です。FELICE.ONLINE+3iess.co.jp+3maruni.com+3

このブログでは、ブランドの背景・デザイン思想・代表シリーズ・そして私たちの暮らしにおける魅力と価値について掘り下げてみます。

ブランドの背景と出発点

マルニ木工は、1928年に広島県で「昭和曲木工場」として創業。曲木技術を含む木工加工技術の蓄積を経て、量産工芸家具のパイオニアとなりました。maruni.com+1

しかし1990年代以降、家具デザインが変化する中で「優れた木工加工技術を持っているのに、最後にベタベタと塗装してしまって木の良さを殺してしまっている」という声が工場側からも出ていたと言います。maruni.com

こうした思考のもと、2008年に「MARUNI COLLECTION」として新たなスタートを切りました。iess.co.jp+1
そして2010年より、世界的デザイナー 深澤直人 をアートディレクターとして迎え、2011年には Jasper Morrison(ジャスパー・モリソン)が、さらに2022年には Cecilie Manz(セシリエ・マンツ)がデザインパートナーとして参加しています。iess.co.jp+2〖公式〗マルニ木工オンラインショップ | maruni+2
それぞれ「木」という素材に対する敬意、そして無駄をそぎ落とした美しいフォルムを追求しています。

 

 

 

デザイン思想と技術の融合

マルニ木工が掲げる「工芸の工業化」という考え方。つまり、職人の手業に宿る繊細な美しさを、安定した品質・価格で多くの生活者に届けるという志。maruni.com+1

一方で、デザイン面では「国際的なデザイン感覚」と「日本独自の木に対する美意識」、そしてその双方を支える“精緻なモノづくり”を掲げています。〖公式〗マルニ木工オンラインショップ | maruni+1

たとえば、深澤直人氏は次のように語っています。

「今まで世界の定番になってきた木の椅子には、デザインというよりは工芸的な手作りの温もりがあります。人間的な温もりがありながら、精緻で清浄なイメージがこのコレクションで目指すものです」iess.co.jp

まさに「木に触れる」「木の時間を感じる」家具をつくろうという意図が伝わります。

技術面では、無垢材から削り出す切削加工、木材の特性を読み取った設計、そして最後まで塗装で木の質感を殺さないという姿勢が強調されています。maruni.com

つまり、このコレクションは単なる「木の家具」ではなく、木に対するリスペクト、デザインの普遍性、そして量産化技術の三位一体で成り立っているのです。

 

 

 

代表シリーズ・注目ポイント

ここでは特に注目したいシリーズをいくつかピックアップします。

◼️ HIROSHIMA(デザイン:深澤直人)

このシリーズは2008年に発表され、MARUNI COLLECTIONの象徴的シリーズとなっています。iess.co.jp+1

特徴としては、背からアームにかけて流れるようなカーブ、テーパー状の脚部、そして木肌の質感をできるだけ残した仕上げが挙げられます。FELICE.ONLINE+1

「シーンにこだわらず、あらゆる場所でずっと長く使えることを想定した」デザインというのが深澤氏の意図。iess.co.jp

個人的には、長時間座っても疲れにくく、どんな空間にも自然と溶け込む“静かさ”と“存在感”のバランスが魅力と感じます。

 

 

 

◼️ Lightwood/T&O/Fugu(デザイン:ジャスパー・モリソン)

 

ジャスパー・モリソン氏の参画により、より国際的、ニュートラル、かつ機能的デザインが加わります。FELICE.ONLINE+1

たとえば「Lightwood」シリーズでは、軽量でありながら強度を保つ構造と、丸棒や削り出しの要素が見られます。FELICE.ONLINE

「T&O」シリーズでは、木とスチールの素材の対比が印象的で、例えばT1チェア(スタッキング仕様)など、実用性も高められています。TECTURE MAG

このあたりは、木の暖かさだけでなく、素材同士の関係性、そして生活空間での機能性までを意識したデザインと言えるでしょう。

 

 

 

◼️ EN(デザイン:セシリエ・マンツ)

比較的新しいシリーズで、丸い天板+背中を包むような曲線の椅子という構成。maruni.com+1

丸みを帯びたデザインには「人と人との距離を縮める」「優しく親しみのある印象」という意図が込められています。展示展でも注目を浴びました。maruni.com

木そのものの力を活かしつつ、フォルムとしても“柔らかさ”と“静けさ”を表しています。

 

 

 

私たちの暮らしにおける魅力と価値

素材の時間を感じられる
無垢材や削り出しによる仕上げにより、使うほどに木の表情が変化していくのを楽しめます。マルニ木工が「最後に塗装で木の良さを殺したくない」と語るのも納得です。maruni.com

普遍的なデザイン
過度な装飾を排し、流行に左右されにくいフォルムだからこそ、長年使うことができます。ブランドが掲げる「100年経っても世界の定番」という言葉にも説得力があります。〖公式〗マルニ木工オンラインショップ | maruni+1

技と構造の裏打ち
椅子やテーブルという“日常使い”の家具でありながら、技術や構造、素材の選定がきちんと裏付けられている点が信頼できます。

空間を選ばない存在感
和洋を問わず、ミニマルからクラシック、北欧テイストなど多様なインテリアに溶け込みます。家具自体が主張しすぎず、空間の良さを際立たせてくれます。

 

 

 

ブログを締めくくるにあたって

MARUNI COLLECTIONは「ただ木を用いた家具」という枠を超えています。そこには「素材と向き合う」「機械と手仕事をつなぐ」「時間を味わう」という哲学が宿っています。

家具を選ぶとき、「今」だけではなく「10年後・20年後」も見据えてみると、このブランドの魅力がより豊かに感じられるのではないでしょうか。もし、あなたの暮らしに“静かな強さ”と“木の温もり”を求めるなら、ぜひ一度、展示や手に触れて確かめてみてほしいと思います。

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