スタッフブログ
岡山のNISHIGAWA TERRACE(ニシガワテラス)を徹底紹介!
岡山のNISHIGAWA TERRACE(ニシガワテラス)を徹底紹介!
岡山市 西川緑道沿いの新たなランドスケープ
岡山市の中心、「西川緑道公園」に沿って誕生した NISHIGAWA TERRACE(ニシガワテラス)。2025年1月にオープンしたこの施設は、自然との調和をテーマにした 循環型ランドスケープを体感できる複合商業施設 です。
西川の豊かな水辺と緑を背景に、地域の素材・人・暮らしを結びつける仕掛けが随所にちりばめられています。
この建物は、私たちが進めている「木造非住宅施設」の考え方に通じる部分があり、ご紹介したいと思います。
「森の中で過ごす都市のテラス」
建物は 木造を基調とした柔らかなフォルム。片流れ屋根と木のフレームが、まちなかの景観と調和しながら来訪者を迎えます。
1階・2階には瀬戸内の食文化を味わえるレストラン、3階には多目的スペースや屋上菜園などがあり、 食・体験・学び・コミュニティ が共存する仕組みです。
建築と構造:地域と共に生きるデザイン
ニシガワテラスの 構造デザイン は、岡山市という都市環境を豊かにするだけでなく、木造建築の新しいあり方を示す取り組みとしても注目されています。ここではそのポイントを整理しました。
① 地域素材を活かす木構造
柱と梁の大部分には 岡山県産ヒノキ(芯持ち材)を束ねた「接着重ね材」 が用いられています。これは一般的な大断面集成材とは違い、 素地を感じさせる質感と加工の容易さ を両立した材料です。
材料自体は、中小の製材所でも製造可能 なため、地域の産業や林業と関わりやすく、「地域でつくる建築」につながっています。
② ラーメン架構と在来工法の融合
構造概要としては:
✅ 一方向ラーメン架構 を主軸に、無柱空間を確保
✅ ラーメン方向と直交方向で、 耐震性と柔軟性を両立
✅ 在来軸組工法的な要素も取り入れ、 地方の工務店が施工しやすい 形式
という考え方が採用されています。これは、敷地条件や用途に合わせた 低層木造ビルの典型例 として参考になる構造設計です。
この考え方は、 A-Loop の構造設計コミュニティでも取り上げられた「地域でつくるを構造デザインする」 というテーマそのものでもあります。地域の素材、職能、施工力を前提にした建築構法は、地方都市での木造建築の可能性を提示しています。
③ 建築に緑と水を「仕組みとして」組み込む
ニシガワテラスでは構造の枠組みだけでなく、 雨水循環システム も建物の空間性の中に組み込まれています:
✅ 雨水は敷地内で貯留・ろ過
✅ ろ過された水は屋上タンクへ汲み上げ
✅ 植栽や菜園への灌水に活用
というシステムが、木フレームや空間構成とともに 持続可能なランドスケープを形成 しています。
受賞歴から見る構造デザインの評価
ニシガワテラスは次のような 受賞歴や評価 もあります:
✅ 木材利用推進コンクール 優良施設部門 内閣総理大臣賞
✅ ウッドデザイン賞 2025 奨励賞
✅ 国土交通省 都市景観大賞 優秀賞(地区として)
など、構造とデザインが高く評価されています。
建築としての体験価値
ニシガワテラスは、単なる商業施設ではなく、
✅ 都市環境に馴染むヒューマンスケールの木造建築
✅ 地域素材や生態プロセスを設計に取り込んだ構造デザイン
✅ 人々が日常的に関わる「循環するランドスケープ」
という思想の下に成立する場所です。建築が地域の社会・文化・経済と結びつく 新しいモデルケース といえるでしょう。
NISHIGAWA TERRACE(ニシガワテラス) は、岡山市の中心部で「森と都市のつながりを体感する」ことができる複合施設です。自然と共生する構造デザインは、地域素材と地域技術、そして環境設計を包括した仕組みとして、 これからの都市木造建築の一つの方向性を示しています。
ぜひ実際に訪れて、 木のぬくもりと雨水の循環、緑と食が織りなす空間 を体験してみてください!
出典:ニシガワテラスHP