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住宅価格の裏側 ― 広島市の地域性から読み解く家づくりのリアル
住宅価格の裏側 ― 広島市の地域性から読み解く家づくりのリアル
はじめに
「広島の住宅価格って、なぜエリアによってこんなに違うの?」そんな疑問を持ったことはありませんか?
同じ広島市内でも、数百万円〜数千万円の差が出ることも珍しくありません。
その“裏側”には、実は広島ならではの地域性――
つまり、土地の形・交通の習慣・人のつながりが深く関わっています。
今回は、日興ホームが地域密着で見つめてきた視点から、広島の「住宅価格の裏側」を読み解いていきます。
1. 地形が生む「立地プレミアム」
広島市は、“川と山に囲まれた街”。
平地が少ないため、中心部の平坦地=プレミアムエリアとして位置づけられています。
中区・南区・西区の一部は、利便性が高く人気が集中。
一方で、安佐南区や東区などの丘陵地は土地価格が抑えられる分、造成や擁壁、排水計画など見えないコストが発生する場合もあります。
つまり、「土地代が安い=トータルコストが安い」とは限らないのが広島の住宅事情。
この地形的条件が、価格差の大きな要因になっています。
2. 「バス文化」が生むアクセス格差
広島は全国でも珍しいバス中心都市。
JRやアストラムライン以上に、バス路線の利便性が生活の質を左右しています。
同じ学区内でも、主要バス路線沿いか、バス停から徒歩10分以上かで住宅価格に明確な差が出るのが広島の特徴。
「乗り換えなしで通勤・通学できる場所」は、今も根強い人気を誇ります。
交通インフラが“価格”と“暮らしやすさ”を同時に左右するのも、広島という街ならではの住宅事情です。
3. 地元工務店×大手メーカーの“バランス文化”
広島は、地元工務店の力が非常に強いエリアでもあります。
その背景には、「地元の気候・土地勘を理解している」「顔が見える距離感が安心」といった、地域に根づいた価値観があります。
大手ハウスメーカーも品質とブランドで安定した支持を得ていますが、最近では「安心して相談できる地元のパートナー」として、地域密着型の工務店が再評価されつつあります。
日興ホームもその一社。
広島の土地を知り、地域の暮らしを知る建築パートナーとして、価格以上の“納得感”を提供することを目指しています。
4. 「中古+リノベーション」という新たな選択
中心部の新築用地が限られている広島では、近年「中古住宅を購入してリノベーションする」選択が増えています。
背景には、「学区を変えたくない」「実家の近くに住みたい」という地縁重視の住まい方があります。
この動きは、新築住宅価格を押し上げる一方で、中古住宅市場を活性化させる新しい潮流でもあります。
日興ホームでも、リノベーション提案を通して、「広島らしい暮らし方」をサポートしています。
5. 見えない経済圏「つながりの力」
そして、広島の住宅価格の“裏側”にあるもう一つの要素が、人とのつながり。
土地の紹介、工務店の評判、設計者との信頼関係――
広島ではこうした「顔の見える経済圏」が、今も住宅市場を支えています。
数字や統計だけでは見えない、“地域の人間関係”が住宅価格を動かしているのが、広島の面白さでもあります。
まとめ
広島の住宅価格は、単なる地価やコストの話ではありません。
地形・交通・地域文化・そして人とのつながり。
それらが重なり合って生まれる“広島らしい価格”には、この街で生きる人たちの価値観が息づいています。
私たち日興ホームは、そうした地域のリアルを見つめながら、「価格」ではなく「暮らしの満足」をデザインする家づくりを大切にしています。