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住宅ローン控除・改正で変わる適用ライン
住宅ローン控除・知らぬ間に対象外?
住宅ローン控除は、マイホーム購入後の家計を大きく支えてくれる制度です。
しかし近年は制度の改正が続き、「昔のままの知識」でいると、思わぬ損につながることもあります。
今回のブログは、住宅ローン控除について、近年の制度変更や見落としがちなポイントを整理しながら、わかりやすく解説していきます。
1. 住宅ローン控除制度の基本と近年の改正内容
住宅ローン控除はマイホーム購入後の家計を支える重要な制度ですが、近年頻繁に制度内容が見直されています。
前回、2022年の主な改正点:
✅ 控除率の引き下げ: ローン年末残高の「1%」から**「0.7%」**に引き下げられました。
✅ 控除期間の延長: 新築住宅等の場合、原則として13年間に延長されました。
✅ 所得要件の厳格化: 対象となる合計所得金額が、3,000万円以下から2,000万円以下に変更されました。
制度の継続: 現在、制度の適用期限は2030年まで延長されることが決まっています。
2. 2026年改正による主な変更点と今後の制限
2026年の税制改正では、中古住宅や小規模住宅への適用範囲が調整されています。
中古住宅(既存住宅)の優遇: 一定の性能要件を満たした場合、中古住宅でも13年間の控除が受けられるようになります。
また、性能に優れた住宅を選ぶことで借入限度額も優遇されます。
✅ 床面積要件の緩和: これまで50㎡以上必要だった床面積の下限が、一定の条件を満たせば40㎡以上に緩和されます(既存住宅にも適用)。
対象外となるケース(2028年以降)
✅ 省エネ基準非適合: 「省エネ基準適合住宅」に該当しない住宅は、2028年以降の入居から原則として対象外となります。
✅:災害レッドゾーン: 土砂災害特別警戒区域などの「災害レッドゾーン」に建てる新築住宅も、2028年以降の入居は原則として対象外となります。
3. 要件判定と計算における重要ポイント
制度を正しく利用するためには、資料上の数値と税法上の判定基準の違いを理解する必要があります。
✅ 面積判定の注意点: マンションのパンフレット等に記載される「壁芯(へきしん)面積」(壁の中心線で計測)ではなく、登記簿上の**「内法(うちのり)面積」**(壁の内側で計測)で判定されます。
✅ 壁芯では要件を満たしていても内法では不足する場合があるため、特に小規模物件では注意が必要です。
控除額の実態: 「年末残高×0.7%」が必ず戻るわけではなく、自身が支払っている所得税と住民税(一部上限あり)の範囲内でしか控除されません。
4. 手続きとライフイベントに伴う失効リスク
手続きのミスやライフスタイルの変化により、控除が受けられなくなるケースがあります。
✅ 初年度の手続き: 会社員であっても、受給の初年度は必ず自身で確定申告を行う必要があります。2年目以降は年末調整で可能です。
✅ 繰り上げ返済のリスク: 繰り上げ返済によって返済期間が通算で10年未満になると、原則としてその後の控除対象から外れます。
✅ 居住実態の維持: 「自分や家族が住み続けること」が前提であるため、転勤などで自宅を離れ、賃貸に出した場合は控除を受けられなくなります。
✅ 併用不可の特例: 自宅売却時の「3,000万円特別控除(居住用特例)」を利用する場合、住宅ローン控除と時期が近いと併用できない制限があります。
住宅ローン控除は家計にとって心強い制度ですが、本来受けられるはずの控除を逃さないよう、購入前に最新の制度を整理して確認しておくことが大切です。
Q1.住宅ローン控除と「居住用特例」が併用できないケースとは?
住宅ローン控除と、自宅を売却した際の利益を最大3,000万円まで控除できる**「居住用特例」は、それぞれのライフイベントの時期が近い場合には併用できない**という制限があります。
具体的な注意点は以下の通り
✅ 時期の制限: 自宅の売却益に対する特例と、新居での住宅ローン控除を同時に、あるいは近い時期に利用しようとすると、制限に抵触しどちらか一方しか選べないケースがあります。
✅ 見落としのリスク: この制限はライフイベントの変化に伴って発生するため、制度を正しく理解していないと、本来受けられるはずだった控除を逃してしまう可能性があると指摘されています。
なお、ソースには「時期が近い」という具体的な年数(一般的には入居した年とその前後2年ずつの計5年間)についての明記はありませんが、詳細な適用ラインについては購入前に専門家への相談や制度の整理を行っておくことが推奨されています。
Q2.省エネ基準に適合しないと、どうして控除対象外になるの?
省エネ基準に適合しない住宅が住宅ローン控除の対象外となる主な理由は、2026年の税制改正によって「適用ライン」が大きく見直されたためです。
具体的なポイントは以下の通りです。
2028年以降の入居分から制限強化: 2026年の改正により、2028年以降に入居する場合、省エネ基準を満たさない住宅は原則として住宅ローン控除が受けられなくなります。
✅ 性能重視へのシフト: 近年の改正では、性能に優れた住宅を選ぶ場合に借入限度額を優遇する一方で、一定の基準に達しない住宅を対象から外すことで、より質の高い住宅普及を促す方針がとられています。
✅ その他の除外対象: 省エネ基準だけでなく、土砂災害特別警戒区域などの「災害レッドゾーン」に建てる新築住宅も、同様に2028年以降の入居からは控除の対象外となります。
このように、制度の適用期限を2030年まで延長する一方で、性能や立地に関する条件を厳格化し、本来の政策目的に合致する住宅を優先的に支援する仕組みへと変化していることが背景にあります。
マイホームの計画は、ご入居まで1年以上かかるケースもあります。再来年の春に住宅ローン控除の手続きをするケースも考えられますので、家づくりの専門家に相談されることをお勧めします。