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「ひろしま国際建築祭2025」（尾道編）レポート
「ひろしま国際建築祭2025」（尾道編）レポート
こんにちは。先日、広島県の 福山市・ 尾道市を中心に開催された「ひろしま国際建築祭2025」に参加してきましたので、その模様をレポートします。建築好きの方はもちろん、地域活性・文化／まちづくりに興味のある方にも見どころが多いイベントでした。今回は、尾道編です。
1. 開催概要とコンセプト
まず、本祭の枠組み・テーマ・規模などを整理しておきます。
開催概要
会期：2025年10月4日（土）〜11月30日（日）／約58日間。
TECTURE MAG
会場：広島県福山市・尾道市を中心に、瀬戸内エリアのサテライト会場も含む。
Tokyo Art Beat
主催：一般財団法人 神原・ツネイシ文化財団（広島県福山市）
ツネイシ株式会社
鑑賞パスポート料金：会場販売3,000円、WEB2,500円。高校生以下および障がい者無料。
TECTURE MAG
コンセプト・テーマ
テーマ：「つなぐ――『建築』で感じる、私たちの“新しい未来”」
Tokyo Art Beat
本祭のミッション：“建築”で未来の街をつくり、こどもの感性を磨き、地域を活性化させ、地域の“名建築”を未来に残すこと。
美術手帖
背景として瀬戸内海沿岸地域が、文化・物流の大動脈として歴史を重ねてきた土地であり、古建築から現代建築まで“建築文化の集積地”であるとの視点がある。
Sustainable Japan by The Japan Times
規模・出展建築家など
出展建築家・作家：世界的に活躍する著名建築家から若手まで 21 組（一部報道では23組とも）
ツネイシ株式会社
主な展示プログラムとして：「ナイン・ヴィジョンズ｜日本から世界へ 跳躍する9人の建築家」など。
AXIS Web
「NEXT ARCHITECTURE｜『建築』でつなぐ新しい未来」など。
TECTURE MAG
2. 会場と見どころスポット
実際に私が訪れた中で、特に印象的だった会場・展示をピックアップします。
尾道市立美術館（尾道市）
こちらではメイン展示「ナイン・ヴィジョンズ」が開催されており、プリツカー賞を受賞した日本の建築家８組９名をフィーチャーしています。
AXIS Web
建築家の名前だけでなく、作品や思想、模型・ドローイング・写真などが丁寧に紹介されており、「なぜ日本の建築が世界に評価されてきたか」という問い掛けを強く感じました。
印象に残ったポイント：展示構成が「作品紹介→思想・背景→未来への問い」という流れになっており、単なる作品鑑賞にとどまらず“意味を考える”構成になっていました。また、尾道という場所の歴史／風土／景観が、展示テーマと自然にリンクしていて、建築を「地域との対話」として捉える視点が浮かび上がるように感じました。
展示什器や空間演出に工夫があり、例えば模型が宙に浮いて見える演出など、建築という「立体」への感覚を活性化させていました。
観どころ：丹下健三・槇文彦・安藤忠雄・妹島和世＋西沢立衛（SANAA）・伊東豊雄・坂茂・磯崎新・山本理顕。展示は作品だけでなく、それぞれの思想、社会的文脈、未来への問いが重なり合っていました。建築という“静的なもの”が、時代や社会を動かしてきた“動的な力”を持っていることを強く再認識しました。
3. 私の体験＆印象ポイント
実際に会場を巡って感じたことを、いくつか「なるほど」と思ったポイントとしてまとめます。
「建築を観る」から「建築と出会う」へ
ただ作品を眺めるだけでなく、「建築とどのように“つながっていくか”」が感じられる構成でした。会場へのアクセス・まちとのつながり・模型から実寸スケールへのリンクなど。例えば福山→尾道を移動しながら、瀬戸内の風景や歴史との橋渡しを体感できたのが良かったです。
チケット・巡り方の工夫が必要
鑑賞パスポート（3日間有効）という制度があり、会場数が多いため「どこに何を観に行くか」を事前に計画しておくのがベストです。
会場によって開館時間・休館日が異なるため、公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
TECTURE MAG
福山→尾道の移動時間も考慮しつつ、1日１エリアに絞ってゆっくりまわるのもアリです。
また事前に会場マップ・展示スケジュールを公式サイトで確認しておくと効率的です。特に巡回交通手段（福山・尾道間）を考慮。
展示だけでなく、建築祭ならではのトークイベント・ワークショップ・建築ツアーにも参加を検討。地域建築／古建築の“オープンアーキテクチャー”も予定されています。
美術手帖
4. まとめと感想
「ひろしま国際建築祭2025」は、建築を通じて「歴史」「地域」「未来」をつなごうという意欲的な文化イベントでした。私自身、建築そのものだけでなく、まち・風土・人びととどう建築が関わっているかを改めて見直す機会になりました。
展示の充実度、会場のロケーション、地域との連携、それらが「建築を観る」から「建築を体験する」へと昇華していたと感じます。特に、「未来をつくる建築」だけでなく「残すべき建築」「地域の建築文化」という視点がしっかり据えられていたのが印象的でした。
もし次回（3年に1度の開催）もこのような規模・内容で実施されるなら、ぜひまた参加したいと思います。そして、建築好きの方だけでなく、広く“まち・建築・地域文化”に関心のある方にもおすすめのイベントです。
広島から発信する「木の力」——日興ホーム広島支社 KItoNOKO
そんな「ひろしま国際建築祭2025」と同じく、地域建築の未来を象徴する存在として注目を集めているのが、広島市西区商工センターに誕生した**日興ホーム広島支社「KItoNOKO（キトノコ）」**です。
「木と暮らしをつなぐ拠点」をコンセプトに、木材の構造美を活かした大型木造建築。
オフィス機能に加え、ギャラリーやイベントスペース、カフェのような開かれた空間も備え、訪れる人が“木のぬくもり”と“建築の可能性”を五感で体感できる場所になっています。
建物の随所に使われた構造材は、木の強度と美しさを同時に示すようにデザインされており、都市部における木造建築の新しいスタンダードを提示しています。
光が差し込むガラスの中庭や、外部と緩やかにつながるウッドデッキなど、空間の連続性を意識した設計も印象的です。
