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COLUMN賃貸物件はいつ建て替えるのがベスト?

賃貸物件はいつ建て替えるのがベスト?建て替え時期を見誤るリスクと成功のポイント

建物は老朽化が進むため、いずれ建て替える必要があります。ただし、状況や今後の希望次第では、建て替え以外の方法を選択した方がよいでしょう。いずれにしても、次のフェーズへと進める時期を見極めることが重要です。ここでは、賃貸物件のベストな建て替え時期と、タイミングが遅くなるリスク、成功のポイントなどについて詳しくご紹介します。

建て替え時期が遅くなることの問題点

賃貸物件の建て替えには多額の費用がかかるため、つい先延ばしにしてしまう方は少なくありません。しかし、建て替え時期を遅らせると次のような問題が起こり、多額の金銭的被害を受ける恐れがあります。

修繕コストが上がる

設備の軽い故障、外壁のちょっとしたひび割れなどへの対応には、それほどコストはかかりません。しかし、老朽化が進み、大きな故障が起きると多額の修繕コストがかかります。そのような問題が頻繁に起きると、建て替え時期を遅らせたことを後悔するでしょう。

また、修繕コストを抑えるために粗悪な修繕を行うと、入居者が不満に感じることで退去するリスクが高まります。建て替えと言えば多額なコストがかかるため、最終手段と思われがちです。修繕を繰り返すよりも建て替えた方がよいケースもあることを覚えておきましょう。

空室率が上がる

老朽化した賃貸物件は、住み心地も見栄えも悪く、魅力を感じることができなくなります。その結果、空室率が上がり、キャッシュフローが悪化する恐れがあります。外壁や部屋の壁、床だけではなく、共用部分の状態も魅力に影響するため、部分的な修繕では空室率は下がりません。

家賃の下落リスクが上がる

空室が増加すると、家賃を下げざるを得なくなります。一度下げた家賃を上げるには、付加価値をつけたり建て替えたりするしか方法はありません。そのため、家賃は最後の手段と言えるでしょう。ただし、家賃を下げても空室率が下がらず、キャッシュフローが悪化する一方になる場合もあります。

耐震性が低下する

賃貸物件の老朽化が進むと耐震性が低下し、状態次第では大規模な耐震補強工事が必要になります。耐震性が著しく低下している状況で地震災害が発生すると、建物の倒壊が懸念されます。それによって発生した損害の責任に問われる恐れもあるため、定期的に耐震診断を行うことが大切です。

また、耐久性の目安の1つとして、法定耐用年数が定められています。木造アパートは22年、鉄骨造アパートは34年、鉄筋コンクリートのマンションは47年です。耐震性と耐久性は比例するとは限りませんが、法廷耐用年数が経過する頃には耐震診断を受けた方がよいでしょう。

また、建築基準法が改正された1981年と2000年を覚えておきましょう。1981年以前に建築された賃貸物件は現行の耐震基準を満たしていません。そのため、巨大地震によって倒壊のリスクが高いと言えます。

賃貸物件を早すぎる時期に建て替えることの問題点

賃貸物件の老朽化がそれほど進んでいない時期に建て替えると、余計なコストがかかります。また、ローンを完済していない状況で新たに借り入れる場合、月々の返済額が大きく増える可能性があります。建て替える際は入居者が全員退去する必要があるため、また最初から入居者が現れるのを待つことになり、それまでは家賃収入がゼロです。

早すぎる時期に建て替えることにメリットはないので、建て替え時期は慎重に見極めましょう。

賃貸物件の建て替え時期が到来したときの選択肢

賃貸物件の建て替え時期が到来した際は、次のいずれかの方法を選びましょう。

建て替え

建て替えとは、老朽化した賃貸物件を解体し、同じ場所に賃貸物件を新たに建築する方法です。新築の賃貸物件になることで、収益性が大きく改善する可能性があります。また、現在の耐震基準を満たした賃貸物件を建築できるため、地震災害による破損や倒壊のリスクを抑えられます。

ただし、建て替えには多額の費用がかかるため、十分な資金がある、借入残高が少ないなどの条件を満たさなければなりません。また、入居者がなかなか退去せずに建て替えを進められないケースもあります。

空室リスクを抑えるために対策する

賃貸物件を建て替えずに、空室リスクを抑えるのも1つの方法です。例えば、家賃を下げる、トラブルが起きる前に対処する、入居条件を緩和する、敷金礼金などを免除する、駐車場の利用料金を下げるなどの方法があります。

ただし、周辺に競合の物件が多い場合、小手先の対策では空室率の増加を停めることが困難です。また、収益性が低下することで、維持管理コストの負担が増大する可能性もあります。

建物を売却して新たに賃貸物件を購入する

所有している賃貸物件を売却し、その売却益を元手に賃貸物件を新たに購入する方法があります。空室リスクを抑えるための対策では十分な効果が期待できない、競合が多い、人口減少が著しいなどの場合に検討しましょう。

より良い条件の賃貸物件に買い替えることで、収益の改善が期待できます。また、一定の条件を満たすと、「特定事業用資産の買換え特例」によって売却益にかかる税金の負担が軽減されます。ただし、賃貸物件の老朽化が進んでいる場合、新たに賃貸物件を購入できるほどの売却益は得られないでしょう。

リノベーション

リノベーションとは、間取りや設備を一新することで価値を高める方法のことです。例えば、老朽化した賃貸アパートに先進的なシステムを導入したり、現代的なインテリアや間取りを採用したりする方法があります。リノベーションによって建物の価値が上昇すると、家賃を上げることも可能です。

家賃を上げない場合は、競合よりも魅力的に見えることで空室リスクを低減できます。ただし、リノベーションを行っても、外観や構造部分に著しい老朽化がみられる場合は、メリットを十分に得られないでしょう。また、導入する設備によっては、防水処理や外壁の張り替え、給水設備の交換といった大規模な工事が必要になります。

リフォーム

リフォームは、修繕によって新築の状態へ近づける方法です。外観、内装、共有部分、機能、設備などを修繕・改修します。リフォームはリノベーションと比べてコストが低く、短期間で完了するため、実施しやすい方法と言えるでしょう。また、建物の魅力に大きく関わる部分だけを修繕し、数年にわたり全体的にリフォームするなど、費用負担を分散させることも可能です。

リフォームは、賃貸物件に付加価値を与えることができないため、必ずしも空室率が下がるとは限りません。また、建物の老朽化が激しい場合は、リフォームでは対応できない可能性があります。

賃貸物件を建て替えるかどうかを判断するポイント

賃貸物件を建て替えるかどうかを判断する際は、次のポイントに注目しましょう。

築年数

築年数が一定以上の場合、建物の機能や性能が現代の一般的な基準を満たしていない可能性が高いため、建て替えを選択した方がよいでしょう。国税庁は法廷耐用年数を定めています。法廷耐用年数は、木造アパートが22年、鉄骨造アパートが27年、鉄筋コンクリートのマンションが47年です。

法廷耐用年数を超えても問題なく住める場合がほとんどですが、1つの目安としてみてください。また、賃貸物件の購入に利用したローンは、法廷耐用年数と同じ返済期間に設定する場合があります。ローンを完済しており、法廷耐用年数を過ぎているのであれば、建て替えを前向きに検討した方がよいでしょう。

建て替えた場合と建て替えなかった場合の維持管理コスト

老朽化した賃貸物件を建て替えなかった場合、いずれ大きなトラブルが起きて多額の修繕費がかかる恐れがあります。また、小さな修繕が短いスパンで何度も発生し、予想外の支出に悩まされる可能性もあるでしょう。最終的に大規模なリフォームが必要になり、適切なタイミングで建て替えていた方がコストを抑えられた結果になるかもしれません。

また、一般的に10年程度を目安に大規模修繕を行うため、遅かれ早かれ多額のコストが発生します。このような予測も踏まえて、建て替えるべきかどうかを考えましょう。細かな計算が必要なため、土地活用の専門家に相談することをおすすめします。

空室率がどの程度上昇したか

空室率が大きく上昇している場合は、リフォームやリノベーションの中でも大規模な工事が必要でしょう。少しの修繕、外観のちょっとした補修では、空室率を下げることはできません。空室率が大きく上昇すると、老朽化による修繕コストが拍車をかけ、キャッシュフローが著しく悪化します。

賃料を見直しても空室率がなかなか下がらない、入居者から不満の声が出ているといった場合は、建て替えや大規模なリフォーム、リノベーションを前向きに検討した方がよいでしょう。

競合の物件が比較的新しいかどうか

老朽化が進んだ賃貸物件は、比較的新しい物件に見劣りします。新しく建った物件が周りに多い場合は、空室率が高くなるでしょう。リノベーションでは、外壁のデザインを大きく変えることは難しいため、建て替えを選ぶことをおすすめします。

直近で相続が発生する可能性があるかどうか

相続税対策の一環として賃貸物件を経営している場合、建て替えによって新たにローンを組むことで相続税評価額を減額できます。また、建て替えによって空室率が低くなればなるほどに賃貸として使用されている部分が多くなり、相続税評価額を抑えられます。

直近で相続が発生する可能性がある場合は建て替えを選択した方がよいでしょう。また、老朽化した建物よりは建て替えた新築物件の方が子や孫に引き継ぎやすいのではないでしょうか。

建て替え期間中の生活に問題はないか

賃貸物件を建て替える場合、完成して新たに入居者が現れるまでは家賃収入がゼロになります。経営している賃貸物件が1つの場合、他の賃貸物件で収入を補うこともできません。また、賃貸物件に住んでいる場合、他に住宅を借りなければなりません。

このように、建て替え期間中の生活に問題はないか、費用面に不安はないかなどを確認しましょう。特殊な事情がある場合、条件に合う住宅がなかなか見つからない可能性もあります。例えば、ペットを飼っている、足腰に問題があるため1階かエレベーターつきの2階以上の物件しか選べないといった事情があります。

まとめ賃貸物件はいつ建て替えるのがベスト?建て替え時期を見誤るリスクと成功のポイント

賃貸物件の法廷耐用年数が経過した、空室率が上昇している、競合の物件に見劣りしているといった場合は、建て替えやリノベーション、リフォームなどを検討しましょう。小手先の対策では状況の改善が難しいと思われる場合は、思い切って建て替えることをおすすめします。建て替える場合は、費用や工期などを確認しましょう。

建て替えるべきかどうか判断できない、他の方法も検討したいといった場合は、土地活用のプロに相談してみてはいかがでしょうか。

日興ホームでは、土地活用のプロがお客様の悩みに寄り添い、的確な分析・調査に基づいてアドバイスいたします。まずはお気軽にご相談ください。

コラムニスト吉川 隼人

株式会社日興ホーム 不動産・土地有活営業部 東広島営業所 吉川 隼人です。

主に呉地域を担当させて頂いております。

呉の土地活用は呉出身、呉在住の吉川にお任せ下さい。

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