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部屋を広く見せる方法

部屋を広く見せる方法

①「抜け感」を意識する

絵画の描き方に「遠近法」という手法があるのをご存じの方も多いと思います。近くの物を大きく、遠くの物を小さく描くなどして、奥行きの深さを感じさせるという目の錯覚を利用したテクニックです。

これは部屋のレイアウトにも効果的に活用することができます。例えば入口から奥に向かって伸びる直線のライン上に、視界を遮る家具などを置かないことで「抜け感」を作ります。具体的には手前に背の高い家具を設置し、奥に置く家具ほど低くコンパクトなものにすることで、グッと奥行きを感じさせることができます。また、その際に手前やサイドに設置する家具は圧迫感を感じさせないように、壁になじむ色や背板のない抜け感のあるものを選ぶと、より広がりのある空間を演出することができます。

また、建具を効果的に使う方法もあります。目線の先に、大きな吐出しサッシや、リビングの入り口は透明ガラスの建具を配置するなどの工夫をすることにより抜け感を演出し部屋を広く見せることができます。ウォークインクローゼットの壁などは、天井まで立ち上げないようにH=2000程度に抑えることにより、空間が広がり部屋を広く見せることができると同時にクローゼット内に湿った空気の淀みがなくなり、衣類も長持ちします。

② 配置・形状・鏡を利用する

レイアウトだけでなく、色使いや形状、インテリア小物で空間に広がりを持たせることも可能です。例えば壁や天井の色には膨張色(明るい色)を使うのがおすすめです。コーディネートとしては床→壁→天井と、上にいくほど明るい配色にすると、高さや広がりを感じさせることができます。逆にキッチンの天井をやや低くし、濃いめの色を使うことにより、部屋にメリハリが生まれ、リビングの空間の広がりを演出することも可能です。この手法は、昔の和風住宅で用いられ、和室に付属する広縁の天井を下げて和室を広く見せるなどと同じ効果があります。

また、狭い部屋では意識的に床面を空けることも室内を広く見せるコツです。家具を設置する場所は全体の 1/3 ほどに抑え、できるだけ余計なものを置かないなどの工夫をしてみましょう。収納スペースが少ない場合は、壁付け収納を取り入れるのもひとつの手です。
これ以外では壁に大きな鏡を掛けるのも効果的。対面が映り込むことでお部屋が広く感じられ、窓や照明からの光も反射するため、お部屋も明るくできます。

その他にも、勾配天井にすることにより、目線の先の広がりを演出させた寝室や、リビング階段の吹き抜けを利用した空間、水回りの動線を一色線に計画し、引き戸を設けることにより狭くても圧迫感のない空間をつくることができます。

③ チラ見せ効果で緩やかに部屋を分ける

例えば、部屋と部屋を仕切る壁ですが、写真のような透明ガラスの小窓を設けることにより、狭さを感じる壁を抜け感のある壁に変えることが可能です。

また、背板のない間仕切り収納などを使えば、部屋の空間とリビングをゆるやかに分け、かつ双方の景観や採光を遮ることなく、抜け感のある空間を演出することができます。好みの小物や趣味のコレクションをギャラリーのように展示できるので、オリジナリティ溢れるお部屋作りを楽しむことができます。

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