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「デザインの軌跡と未来 ~テクノロジー変革期に問われる『つくる力』~」

「デザインの軌跡と未来 ~テクノロジー変革期に問われる『つくる力』~」
日本弁理士会中国会 20周年記念講演会レポート

2026年1月30日(金)午後3時より、ホテルグランヴィア広島 4階「悠久の間」にて、日本弁理士会中国会の設立20周年記念講演会が開催されました。記念すべき節目にふさわしく、デザインと知的財産をテーマにした講演と対談企画には、多くの参加者が集まりました。


株式会社オーエイプロト:OA100 PROJECT

 

開催概要

イベント名:日本弁理士会中国会 設立20周年記念講演会
日時:2026年1月30日(金)15:00〜16:50
会場:ホテルグランヴィア広島 4F「悠久の間」
参加費:無料(事前申込制)
定員:150名(満員御礼でした)
主催:日本弁理士会中国会
※本講演会の案内は事前に各種公式サイトでも告知されていました。

 

 

基調講演:「デザインの軌跡と未来」

講演は、株式会社GKデザイン総研広島 代表取締役社長の彌中 敏和(やなか としかず)氏を迎え、「デザインの軌跡と未来 ~テクノロジー変革期に問われる『つくる力』~」をテーマに行われました。

彌中 敏和 氏の講演テーマのポイント
彌中氏は、公共交通や環境、プロダクトなど幅広いデザイン領域での豊富な実績を持つデザイン界の重鎮です。講演では、以下のようなテーマが取り上げられました。

✅ GKデザイン総研広島の軌跡と過去のデザインの進化と社会・文化との関わり
✅ テクノロジー変革期に求められるデザイン力
✅ 人間中心の創造力と未来のデザインへの視点
✅ 技術と感性を融合した「つくる力」の重要性
✅ アストラムラインや京都の嵐電のデザインのエピソード
✅ 東広島の企業オーエイプロトとの協業プロジェクト「OA100 PROJECT」

テクノロジーの急速な進化が進む中で、デザインは単なる形の創出だけではなく、「社会価値をつくる力」として重要性が高まっていることが強調されました。
印象的なお話として、使い捨ての「物」や「道具」は作るべきではない・・・。これは、デザインする上で、使い続けることが求められる「強い物」を残していきたいとの創設当時のエピソードを交えてのお話でした。


GKデザイン総研広島:新旧アストラムライン

 


GKデザイン総研広島:京都の嵐電

 


GKデザイン総研広島:瀬戸内海汽船「シーパセオ」

 

 

特別対談:「これからの創造と知財のあり方」

基調講演に続き、異なる専門分野を代表する登壇者を交えたセッションが実施されました。テーマは「これからの創造と知財のあり方」。彌中氏に加え、以下の方々が登壇しました。

登壇者
彌中 敏和 氏(デザイン、GKデザイン総研広島)
前田 育男 氏(マツダ株式会社/自動車デザインの最前線を牽引)
久保田 大輔 氏(特許庁 意匠課長/知財制度の現場から)
森 寿夫 氏(日本弁理士会中国会/知財の保護と活用の専門家)

 

対談で語られた核心
対談では、業界が異なる視点から「創造」や「知財」の未来像について熱い議論が展開されました。主なトピックは以下の通りです:

✅ デザインと知財の接点
創造的なアイデアをどのようにデザインとして具現化し、さらに知的財産として守っていくかという、実務的な視点からのお話が語られました。
特に印象に残ったのは「守る前に作れ」という言葉です。本質的には、まず良いデザインを創造することが先にあり、その結果として知的財産として守る価値が生まれる、という考え方だと理解しました。
また、日本独自のデザイン文化をいかに守り、次世代につないでいくかという壮大なテーマについても、セッションの中で議論が交わされました。

✅ 自動車デザインの進化
マツダの前田氏からは、近年の車両デザインにおけるテクノロジーとの融合や、ブランド戦略における知財活用について紹介がありました。
印象的だったのは、「デザインは間違えることが重要」という言葉です。人間が行うデザインは、試行錯誤や“間違い”を重ねることで、より感性に訴えかける表現が生まれる、という意味だと受け取りました。
AIによって生み出されるデザインが「1」か「0」で表現されるシンプルなものだとすれば、人間が創造するデザインは、より複雑で奥行きがあり、「職人」の世界に近いものだと感じました。

✅ 知財制度の変革と対応
特許庁の久保田氏からは、意匠制度の最新動向や、AI・デザイン分野における制度面での変化について説明がありました。
知的財産を守る仕組みづくりを担う立場の方ならではの視点は非常に興味深く、制度の背景や方向性を理解する貴重な機会となりました。

✅ 弁理士の役割
森氏は、創造と保護を両輪とする中で、弁理士が果たすべき役割や、地域における知財支援の重要性について語られました。
また、「モノ」を守る立場として、お客様の話を丁寧に傾聴し、「何を大切にしているのか」を引き出す力の重要性を強調されていた点も印象的でした。この傾聴の姿勢は、私たち設計士にも通じる、非常に示唆に富んだお話でした。

対談は非常に多角的で、参加者からも「現場の視点が直接聞けて参考になった」との声が多く聞かれました。


MAZDA:ロードスター(魂動デザイン)

 

まとめ

今回の記念講演会は、日本弁理士会中国会の20年の歩みを振り返ると同時に、デザイン・創造・知財のこれからを考える貴重な機会となりました。異分野の第一人者同士が未来について語り合う姿は、参加者にとって大きな刺激となったようです。

これからもデザインと知財の架け橋となるようなイベントが期待されます。今後の関連レポートや講演資料もぜひチェックしてみてください!

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